国際科学技術財団は25日、新型コロナウイルス感染症予防に使われているメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン開発への先駆的研究を行った米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(67)、ドリュー・ワイスマン教授(62)ら欧米の3氏に令和4年の日本国際賞を贈ると発表した。
mRNAワクチンは、ウイルスの表面にあり、人の細胞への感染に必要なスパイクタンパク質を作るmRNAという物質の投与でウイルスへの抵抗力をつけ、感染や重症化を防ぐ。投与しても免疫反応で異物として破壊されることが課題だったが、カリコ、ワイスマン両氏は2005(平成17)年、mRNAを破壊させない方法を発見。これにより新型コロナワクチンはわずか1年で実用化し、世界中で数多くの人命を救った。
もう1人の受賞者は、米スタンフォード大のクリストファー・フィールド教授(68)。環境による植物の光合成速度の変化を式で表すことなどで、森林など地球全体の生物圏の二酸化炭素吸収量の分布や、大気中の二酸化炭素濃度の上昇の原因を明らかにし、地球温暖化対策の科学的基礎を築いた。
【学歴】
1963年 東京大学医学部 卒業
1970年 冠循環と心筋代謝のテーマで医学博士取得
1971年 米国ハーバード大学(Beth Israel Hospital)およびタフツ大学
(New England Medical Center)に留学
【職歴】
1991年 東京大学医学部 教授
1995年 東京大学 医学部長 併任
1999年 国立国際医療センター 病院長
2000年 国立国際医療センター 総長
2004年 独立行政法人国立病院機構 理事長
2012年 国際医療福祉大学 総長
2018年 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会 理事長
2010年 学校法人東京医科大学 評議員
2018年 学校法人東京医科大学 理事
2018年 学校法人東京医科大学 理事長
【受賞】
2000年 紫綬褒章
2014年 瑞宝大綬章