みなさん、こんにちは。
この10月初旬の10月5日に阿南ブックオフへ久しぶりに行ったら、保江邦夫先生の海鳴社から出ていた「評伝岡潔 *花の章*」(549ページ)という本を目にしたのだった。著者は高瀬正仁(たかせ まさひと)という人。以下の本である。
4000円の本だが、これがブックオフで3000円になっていた。ブックオフにしては高く、もっと安くなるまで待ってもよかったのだが、これもなにかの縁だと思って、買って少しずつ読み始めたのである。
読み方としては、分厚い辞書のようにして適当にページを開いて目に触れた部分を読むというような感じである。
この高瀬正仁という人は非常に細かい部分をよく調べて書いているようで、非常に情報量が多い。
それでどんな人かと調べたら、この人だった。
上の「評伝 岡潔」には「花の章」の他にもう一つ「評伝岡潔 *星の章*」というものがあるようだ。
昨日、アマゾンで中古本の安いものを注文したところだ。
この本の面白いのは、岡の時代に先行していた物理学者の寺田寅彦
の物理学のやり方が書かれていることである。
以前拙ブログ1のどこかに書いたが、寺田寅彦は午前中東京帝大で教育し、午後は理化学研究所に行ってそこで実験をするという生活だった。といっても、寺田の時代は、まだ理論と実験の区別はあまりなかった。だから、寺田寅彦自身も自分の行った実験の理論を考えたり、実験したりという時代だった。
その理化学研究所の研究者に中谷宇吉郎
という実験物理学者がいた。
この中谷宇吉郎は気象学、特に雪の結晶の研究を行っていたが、この中谷が寺田寅彦の弟子だった。
この中谷がまれに見る非常に良い人であった。岡潔がフランス留学中に同じく中谷もフランスに留学。しかも弟に中谷治宇二郎がいた。この弟も
も兄を追ってフランスに留学していた。
岡潔はそこで偶然留学中の中谷と会う。その時、岡潔は中谷宇吉郎兄弟のその気質に惹かれ、終生の親友になるのだった。
左:岡潔、右:中谷治宇二郎
この本には、「寺田物理学」と呼ばれた寺田寅彦のやり方が書かれている。
たとえば、実際の船のトラブルが生じた場合、その船の小型模型を作って水槽に浮かべ、船の異常の問題を自分の手で持つ音叉で共鳴させて異常箇所を見つける。そんな感じの実験研究である。常に天才的なインスピレーションで個々の大問題の急所を探し当てるのだ。
だからか、寺田寅彦は映画「帝都物語」の物理学者のモデルになった。
さて、この辺の話は、以下のYouTube番組に出ているようだ。特にこれは数学の話が中心である。
高瀬 正仁(九州大学基幹教育院教授) 岡潔の晩年の夢とドイツ数学史の現在
この講演にある、岡潔が晩年に解きたかった問題
という問題を解く人が出てくるのだろうか?
若者よ、挑戦せよ!
いつも思うことだが、「古いものが古いから駄目だ」ということはない。むしろ、「古きを訪ねて新しきを知る」べきである。
現代の問題で行き詰まった場合、むしろ昔に遡って考えるほうが良いのである。