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【新型変異種N501Yの特徴とは?】世界最高富士通スパコン富岳のウィルス百景vs元富士通OB解析理論物理学者の頭→結論はほぼ同一だった!どっちが安い!?

富嶽百景
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みなさん、こんにちは。

さて、寝ても覚めてもキャンディーズ、キャンディーズ。今日もキャンディーズで行ってみたい。そういうところだが、その前に忘れない内に新型コロナの新情報を1つメモしておこう。昨夜深夜に寝る前に偶然ネットで見たものだ。


(あ)新型コロナウィルスの変異パターン

まず、先日、以下のもので、今回の変異種の変異パターンをメモした。




この中で、問題の強毒型変異ウィルスの変異の場所が特定されている。以下のものだ。

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この図に最近のイギリス型、南ア型、ブラジル型が一番下にまとめられている。

これをよりわかりやすく、Sタンパク質の遺伝暗号の前の方から後ろの方に並べると、こんな感じになる。

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イギリス型   南ア型    ブラジル型

               L18F
               T20N
               P26S

69-70削除
        D80A
               D138Y               
144-145削除
               R190S
       242-245削除
       R246I

        K417N    K417T
        E484K     E484K
N501Y    N501Y    N501Y
A570D
D614G    D614G    D614G
               H655Y
P681H
        A701V
T716I
S982A
               T1027I
D1118H
               V1176F
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
計7個     計7個    計12個
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


というわけで、入れ替えの挿入がこれだけあったということになる。

はたして、自然界の力だけで、これが可能だろうか?

これが問題になるわけだ。
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(い)変異箇所と立体構造のマップ

さて、上のメモの更にその下の私のコメントに以下のようにあっただろう。


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やはりいちばん危なそうな変異は、3国に共通して流行っている型だろう。たぶん、これだろう。

E484K N501Y D614G 

図を見れば分かるが、この部分は結構近い。

つまり、この部分がSタンパク質の急所。このタンパク質の形を決める部位だろうということになる。

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ここが、ACE2への吸着に決定的な場所ということになる。


ということは、

(あ)疑似ACE2を人工的に作り、それを薬にするという方法

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もあるが、それを待つ時間がないので、
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(う)理研の富嶽の世界最高のスパコンによる検証結果

そこで、昨夜見たニュースにこれがあったのだ。



世界最高の富岳が、Sプロテインの変異サイトのパターンとACE2酵素とのマッチングを計算したというものだ。

つまり、分子動力学シミュレーションという手法で、すべての電子原子配置をクーロン力と量子力学とニュートン力学でフル計算したというものだ。


(え)スパコン富岳は理研&神戸大学&富士通の管轄?

これは、神戸大学では、私の友人の田中成典教授がエキスパート。

彼はもともとNECのスパコン研究者で、DNAの電子論のフル計算をしていた人だった。

たまたま私がフリーの理論物理学者として、物理学会で半経験的ヒュッケル法でDNAのπ電子軌道だけを使った計算を招待講演した時に、会場におられて、その講演後に初めて話した人だった。これだった。

Kazumoto Iguchi, "π-electrons in a single strand of DNA: A Phenomenological Theory", Int. J. Mod. Phys. B18 (No.13), 1845-1910 (2004).* pdf

私も元いた場所が、まさに富岳のず〜〜と前の富士通スパコンの科学計算を行う大学研究者をサポートする部門だったわけだ。

だから、比較的企業研究者同士で気があったんですナ。

富岳の前は、埼玉和光の理研本所に富士通のスパコンが入っていた。私がいたユタ大にも1台当時世界最速の富士通スパコンがあった。当時は、ユタ大の化学学部で管理した。

私が富士通に入社できた理由は、そのユタ大との縁と、それまで富士通のシステム部の中で、あっちこっちの部門にそれぞれの科学分野でスパコンを使う科学者をサポートしていたのだが、それを統合する部署を作りたかったからである。

たまたま私が入社することで、力学、建築、量子化学、素粒子、分子生物学、工学、。。。あらゆる部門の科学計算を一括する部門ができるわけだ。

そこで、私は理論物理学者も解析的にアナログに数式を扱うタイプの理論物理学者だったが、それでOKということで入社したのだ。

その結果、富士通のSEシステム本部の中に、

計算科学研究部

というものが初めて誕生したのだ。それが1991年の3月のことだった。

最初は20数人程度の小粒な部門だったが、徐々に他の部門からスパコン計算だけするために白い目で見られていた計算屋たちが集まってきたのだ。

それで、1年も経たないうちに60人になり、手狭になった。というより、私が入る前からそういう計画だったようで、結局、千葉の幕張にある大きな新築ビルの確か4階(か6階)に引っ越した。上に富士通総研があった。後にあの「特命リサーチ200X」をサポートした場所と思う。

それが、

富士通幕張シスラボ

だった。

窓の先には、幕張メッセが見える場所だった。電車の駅も見える。当時ですでに日本最高の発展した都市だった。
そのうち、幕張に千葉ロッテマリーンが移動してきた。

ところが、その新築に入った瞬間から私の体調が悪くなり、毎日毎日ひどい咳に悩まされ、喘息発作のようになったわけだ。

これは空気が合わないと思い、たった2年で円満退職せざるを得なくなったのだった。

そして、幸いに理研にできて2,3年目のポスドク制度があり、それに密かに応募したら合格したため、空気の良い理研和光へ移ったわけだ。

すると、和光の理研には富士通のその部門の後輩たちが勤務してくるようになったというわけだ。

だから、富士通のスパコン周りは私のいた部門の社員たちがサポートしているわけだ。むろん、その後は知らないがネ。

おそらく、今思えば、シックハウス症候群、ホルムアルデヒド中毒だったと思う。(阿南に来てだいぶ経ってからそれがスギ花粉症のせいだとわかった。)

とにかく、阿南に来て、空気がいつも流れているから、徐々に呼吸が良くなり、特に15年前に減感作療法を2年半行い、それでほぼアレルギーが完治したわけだ。

それで、やっと人前で講演しても咳き込まずに話せる段階になった。

そして、それまではただ沈黙してネットの掲示板やブログや研究論文だけを書いていただけだが、初めて理研後に物理学会でまとまった講演を行ったのが、最初の招待講演だった。

DNAは半導体だ!

と理論的に正確に証明したのは私が初めてである。これは後に都立大の溝口教授のグループの実験で検証された。

それがこの本。


私は6章担当。結構人気がある。


ちょっと余計なうんちくを披露して、越に入った感があるが、失敬。


(お)富岳の計算結果

さて、その富嶽百景の計算結果はこれらしい。

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(か)俺の理論的推測結果

これを見て分かることは、世界最高の富岳の量子力学的分子動力学シミュレーションの計算結果と、私の個人的推測がほぼ同じだったということだ。

つまり、

多くの国々で見つかった変異種に共通して起こった変異の場所、すなわち、以下の3箇所:

E484K N501Y D614G

が、Sタンパク質への吸着上非常に重要な場所であろうというものだ。

私は以下のようにメモしていた。


やはりいちばん危なそうな変異は、3国に共通して流行っている型だろう。たぶん、これだろう。

E484K N501Y D614G 

図を見れば分かるが、この部分は結構近い。

つまり、この部分がSタンパク質の急所。このタンパク質の形を決める部位だろうということになる。


ちなみに、理研の図中のAsnとかいうアミノ酸の呼び名と変異種のNのような呼び名の暗号表がこれ。

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アミノ酸は20種類だけだから、英語のアルファベットで十分だ。

たとえば、N501Yの

N → Y

の変異は、

Asn → Tyr

アスパラギン → チロシン

への変異ということになる。

つまり、スパイクタンパク質=Sタンパク質の501番めのアミノ酸のAsnがTyrに変わったということになる。

すると、理論家は今度は、その中身を見る。

アミノ酸の構造とはこんなものだ。

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したがって、

アスパラギン(N) → チロシン(Y)

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まあ、この分子構造を見て即座に電子状態が頭に浮かぶ人はそうはいないだろう。

富岳で量子計算するまでもなく、アスパラギンの電子状態は平凡だ。

一方、チロシンの電子状態は芳香族特有の構造がある。これは炭素原子のπ電子軌道というものだ。

我が国のノーベル化学賞受賞の福井謙一博士とその門下生たちの尽力で解明された量子化学の手法で理解できるのだ。

フロンティア電子軌道というものだ。これは固体バンド理論のフェルミエネルギーに対応する概念である。

最高被占準位。

電子が詰まった状態で一番上のエネルギー準位のことである。


というわけで、これをみると、反応性が分かる。

計算するまでもなく、アスパラギンは絶縁体構造。励起しにくい。ガラスのようなものだ。ガラスは絶縁体で光が来ても光は反応せずに透過する。

一方、チロシンは半導体構造。つまり、半導体は太陽電池のようなものだ。励起しやすい。光が来ると光を受けて吸収できる。

というわけで、チロシンの部位は相手のACE2の端が近づくと簡単に反応し、お互いの電子のやり取りが起こる。こうすると共有結合が起こる。

というわけで、アスパラギンの結合は分子間力的で、チロシンの結合は共有結合的だということになる。

だから、かなりN501Yの変異種は、結合力が強いだろうという結論に導かれる。


どうでしょうか?


こういう思考法が、現代の分子科学者の論理構造だ。


(き)読者への宿題

暇な人は、他の2つのサイトでも似たようなことを考えてみて欲しい。

高校生諸君、君たちへの宿題だ!




弥栄!





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by kikidoblog3 | 2021-04-30 09:16 | バイオハザード・武漢ウィルス

井口和基の公式ブログ 3


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