みなさん、こんにちは。
今季Jリーグが再開されて以来圧倒的なサッカーの質と強さで今季優勝確実の川崎フロンターレ。そのフロンターレを牽引してきた中村憲剛選手が引退会見を行なった。以下のものである。
【公式】中村憲剛選手 現役引退発表会見
私の記憶では、長友佑都選手と中村憲剛選手は大学サッカー部時代に急激に伸びてきたという選手だったと思う。
拙ブログでは、「子供横綱問題」と呼んできたサッカーの傾向に対する生証明のような選手であった。
つまり、子供の頃は体も小さくそれほど目立った存在ではないが、大人になればなるほどその輝きを増すというタイプの選手である。
要するに、子供横綱というのは、子供時代に早熟だったり、足が早かったり、体が大きかったり、何か突出した部分があると、他の子どもたちに先駆けて活躍できる。だから、それを使うことばかりになり、サッカーそのものの基本を育てることが疎かになり、少年期を過ぎて皆が大人の体になり、他の選手達が早熟の子供だった選手に負けないくらいになると、逆に疎かにした基本技術が障害になり、引退を早める結果になってしまう。
これに対して、逆に子供の頃、ペレやマラドーナやメッシや中村憲剛や久保建英のように、子供の頃、体が小さかったり、足がそれほど速くなかったり、キック力がなかったり、そういうハンデを持った選手だった方が、それでも自分を活かせる技を身に着けていくうちに、大人になった頃には他の選手達より傑出したサッカー技術を身につける結果になる場合が多い。そういう問題だった。
サッカーにおける「子供横綱」というのは私はこれまでずっとここ徳島の選手たちでも見てきて、いつ残念に思ってきたことである。体が大きく、しかも体力があるのに、幼少期からそればかりでやってきて、サッカーが大味になってしまう。だから、いつか怪我したり、体で追い越される頃になると、平凡な選手になって、そこで諦めて止めてしまう。こういう選手を本当にたくさん見てきた。
ところが、わずかならがらでもプロにまで進んだ選手たちは、あまり体が大きくなかったり、子供の頃は技術的な面を除いてはむしろ平凡に見えるような選手たちだった。
サッカーは最後は個の力で勝負する。だから、最後の最後は結局その選手が持つ技で勝負するわけだ。
中村俊輔、中村憲剛、遠藤保仁、。。。こういった選手たちはそういうことを証明しているのである。
そして、フィジカルよりむしろ高度なテクニックを持った選手の方が最後には日本代表に入る結果になっている。
ここにサッカーの指導者たちが考えなかればいけない問題が含まれるのである。
フィジカルは大人になって本格的なトレーニングを受ければ、かならずある程度までは身につく。だからそれほど心配がいらない。しかし、技術は幼少期から訓練しなければ身につかない。
ところで、今季、Jリーグが再開して、この中村憲剛選手のいる川崎フロンターレが圧倒的なサッカーを見せている。私はこの理由は何か?といろいろ調べていたが、やはり、フロンターレの鬼木監督が考えるサッカーの質が非常に高いことが考えられる。
また、フロンターレの若い選手たちがU23で強豪ブラジルと互角に戦った経験を持つ選手たちであるということが非常に大きい。
今年は、途中から再開したため、日程が非常に詰まっている。こうなると年配の選手たちは回復しない。そうなれば、おのずと代役に若い選手たちが起用される。そうしていくうちに出てきた新鋭の若い選手立ち、旗手、三苫、田中碧、こういったU23代表クラスの次世代が急速に頭角を現した。
実際、今年は各チームが世代交代でかなり若返りつつある。
私は、横浜FCの三浦知良にもそろそろ引退して欲しいと思う。やはり若い世代にバトンタッチすべきだろう。
そこで、この川崎フロンターレは今年チーム内の練習風景を映像に残しているようだった。そんなものをいくつかメモしておこう。そういうものにフロンターレの強さの秘密が醸し出されれているはずだ。
【公式】2020_川崎フロンターレ_麻生G_練習レポ_3月25日
【公式】2020_川崎フロンターレ_麻生G_練習レポ_10月23日
【公式】2020_川崎フロンターレ_麻生G_練習レポ_10月27日
川崎フロンターレは、もともと実業団の富士通がその前進。「フロンティアスピリットの富士通」ということで、フロンターレになったのだろう。
やはりバックにいる富士通が比較的安定しているということがチーム事情にも効いているのではないだろうか?
経済的にある程度余裕がないといいプレーは生まれない。むろん、子供も生まれない。
一応、私も富士通のOB。サッカーではないけど、計算科学に2年いたからナア。
はたしてこの引退宣言がチームにどういう影響を与えるだろうか?
いずれにせよ、若手の三苫とか育ってきて、安心したんじゃないだろうか。
ぜひクラブワールドカップの世界チャンピオンになってほしい。
頑張れ、フロンターレ。
中村憲剛選手、お疲れ様。ご苦労さまでした。ありがとう。