この度、ちょっと前のことだが、高知県在住の横山賢二先生から、数学者岡潔先生の生前の肉声テープをたくさん頂いた。
これは、その中の最後の講演である。時は1970年5月3日、場所は豊島公会堂。講演タイトルは「何も知らないのに」である。すでに我が国から文化勲章を受賞した後のことである。
まだ岡潔先生は1978年3月1日死去のため、我が国の著作権は死後50年、つまり2028年3月2日まで生きている。
まあ、勝手に岡先生の肉声テープでやっても良いのかもしれないが、一応著作権を考慮して、私が読み上げる形の私の作品の形で朗読とした。
この講演が1970年、いまからちょうど50年前の講演だとは信じがたい。それほど今現在の世界の政治情勢に適切なことを言っていたのである。
というわけで、この最後の講演会の内容を私が下手くそながら、朗読に挑戦した。
岡先生の優しくかつ時には厳しく、激しい口調の明治生まれの日本人の語り口は今はそうはないだろう。
途中、ネパールの人々のところで、聴衆が思わず笑ってしまった。大爆笑となったところで、これが岡先生の逆鱗に触れた。
「笑いどころじゃありません!」
と大声で聴衆を怒鳴りつけたのだ!
この場面のドスの利いた叱責はものすごい迫力で、その後聴衆は
シーン
とかたずを見守る形になった。
というのも、ネパール人は東洋人アジア人なのだが、その支配層は西洋人だと説明した場面だったからだ。
いまの東チモールもそうで、インドネシアから石油利権を狙った白人至上主義だった豪州の白人がインドネシア人の混血を生み出し、混血ハーフを東チモールの支配層において、インドネシア人同士で戦わせて独立を得たのである。
こういう構造が、すでにネパールに当時あったのである。
この悲劇を、そしてこういう悲劇を終わらせようとして旧日本は西洋植民地主義国と戦ったのである。
しかし、その努力は無に帰し、いまだに西洋白人種の支配がネパールでは行われている。
ゆえに、そこは笑う場所ではないである。
最初の方に、かつて拙ブログでもかなり取り上げた「自然科学は間違っている」の主張が行われている。
ここも実に興味深いところで、いまから50年以上前に、「西洋人にはこの自然を理解することは不可能だ」という明確な主張が行われたのである。
なぜなら、西洋人には、前頭葉機能から生じる「小我」しかなく、頭頂葉から生じる「真我」がないからだ。
つまり、人には2つの心があることを知らないからだ。そういう主張である。
いくつか仏教用語が現れる。私の口ではうまく発音できず、またうまく読みあげられなかったものもある。
それで、いくつかその部分をメモしておこう。
「不生不滅(ふしょうふめつ)」
おもわず私は(ふせいふめつ)と読んでしまった。すみません。
「刹那生滅(せつなしょうめつ)」
これは道元の言葉。
「五蘊皆空(ごうんかいくう)唯有識心(ゆいうしきしん)」
無差別智(むさべつち)
これは4つに分かれる。
大円鏡智(だいえんきょうち)、平等性智(びょうどうしょうち)、妙観察智(みょうかんさっち)、成所作智(じょうしょさち)
山崎弁栄(べんね)上人は、大円鏡智の達人だった。この例を話している。
知り合いが上人に出版されたばかりの分厚い自然科学の百科辞書をあげたところ、上人はそのページの部分を親指でパラパラパラ〜〜と撫でた。そしてこういった。
「すべてわかりました。」
そこで、失礼ながらそれが本当かどうか試しにいろいろの項目を無作為に開いて聞いてみた。すると、上人はその記載と全く同じ内容を次々に正確にお答えになった。
これが大円鏡智というものであるという。
人が生まれて身につけている無差別智を法身無差別智(ほつしんむさべつち)といい、その後の修行で身につけるものを報身無差別智(ほうしんむさべつち)という。
仏教には六道(ろくどう)がある。
六道には、良い方に天道(てんどう)と人道(じんどう)の2つがあり、これらを二善道という。これを身につけられたものが戦前の教育勅語であるという。
悪い方は四道あり、四悪道という。
四悪道には、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道がある。
日本人に一番多いのは、畜生道と餓鬼道であり、畜生道はマイホーム主義で、自分さえ良ければよいという考え方。
餓鬼道には何種類かあり、金が一番大事というのが金餓鬼。権勢が一番大事だというのがボス餓鬼、性欲が一番だというのが色餓鬼。たいてい、金餓鬼とボス餓鬼は色餓鬼をかねる。
人は争うために生まれてきたと思うのが修羅道。残酷なことをするやつは地獄道である。
第二の心の存在しない世界や人は、こういう畜生道や餓鬼道を生きている。第二の心をもって初めて真の倫理や道徳が生まれる。
この部分の話を聞いて、いまの日本の政治家を見たら実によく理解できるだろう。
四悪道の政治になっているわけだ。たいていは色餓鬼道。
そしてこの講演の最後で、日本や中国などどうして今あるようになったかの理由が述べられている。
ぜひじっくり聞いてみてほしい。
まさに岡潔先生の言った通りの世の中が今の世の中である。
仏教の信仰対象である菩薩の一尊である、地蔵菩薩。
サンスクリット語ではクシティガルバと呼ばれ、
クシティは「大地」を、ガルバは「胎内」を意味しています。
日本では地蔵菩薩像を6体並べて祀った六地蔵像が多く見られますが、
これは仏教の六道輪廻の思想に基づき、
六道を6種の地蔵が救うとする説から生まれたそうです。
さて、今回ご紹介する映像は福島の会津薬師寺で撮影されたもので、
檀家の方々が手作りした赤い布製のマスクを、
108体のお地蔵さんにかけていく様子が収められています。
像にもマスクを着けるという発想自体が、
多くの外国人には非常に興味深かったようで、
映像には多くのコメントが寄せられていました。
その一部をご紹介しますので、ごらんください。
■ 私、日本人のこういう価値観や振る舞いが大好き! +4 ドイツ
■ 日本は他の国では見ることが出来ない、
独自の儀式と素敵な行動で溢れてるよね。 +2 アメリカ
■ マスクを着ける女性達が像に対して、
母親のように接してるのが印象的だった! イギリス
■ (※「宗教哲学を示している +15」という日本の方の指摘に対して)
だけど「仏教」は仏像に祈る事ではないよね。
もっと深くて、勉強が求められて、
そうして本質を理解していく宗教だから。 +5 チベット(?)
■ だから私は日本が大好きなの。
だって像にもマスクって発想、可愛過ぎない? +1 フランス
■ はっきり言って、あの子たちに命は宿ってないよ。 トルコ
■ マスクは自分が感染する事を防ぐと言うよりも、
ウイルスを周囲に拡散させない為のもの。
思いやりを持って、他人を守る事が重要だ。 +3 オーストラリア
■ ジゾウの存在がずっと謎だった。
足を運んだ大抵の日本のお寺に彼らがいたんだ。 タイ
■ ジゾウは日本で愛されてる神様で、
お寺や墓地、田舎の道路脇、時には都市部の街角にもある。
主な役割は子供たちを守ることで、
だから「となりのトトロ」でメイが迷子になった時、
彼女はジゾウの近くに座ってたんだ。
そして命を落としてしまった子供や、
生まれていない赤ちゃんの魂を守る存在でもある。 アメリカ
■ あり得ないくらい可愛い習慣だと思ったのは私だけ?! +9 アメリカ
■ 宗教を現在の形に適応させていくのって、不思議な感じがする。
帽子と前掛けは伝統で、マスクは知恵だね👏❤️ +4 国籍不明
■ こんな事をしてなんの意味があるんだ!!!
いや、言葉を失ったよ……。 😡+9 😆+3 フランス
■ あなた、異文化への敬意が全くないね。 +8 メキシコ
■ 像にマスクをするのを理解出来ない人がいるようだけど、
この背景にある物を理解するには知能がいるからね。 +10 イギリス
■ それにしても、なんて可愛らしい像なのかしら。 +3 アメリカ
■ 日本のお寺に行くと必ずいるよね。
日本ほど伝統とハイテクが共存してる国は他にない。 +3 ベトナム
■ 「石」も感染すると考えてるのか?
コロナは本当に宗教なんだな。 +2 😢+1 国籍不明
■ 日本では像や6歳の子供までちゃんとマスクをする。
フランスには「自由」を主張してしない人間がいる。 フランス
■ 人間にさえマスクを着けさせられない俺たち。
……日本は俺たちの数光年は先にいるな。 米在住
■ なんて日本らしい光景なんだろう。 +16 ベトナム
■ 日本人は神様を守ろうとするの?
神様こそがあなた達を守るべき存在でしょ? 国籍不明
■ ジゾウサマは私の守護聖人❤️ +6 メキシコ
■ 日本人が大好き。
私の中で、世界で一番優しい国民だから。 +15 フィリピン
■ 日本人は宗教的な要素を大事にしてるんだね。
どれだけ発展した国になっても! +2 カンボジア
■ スピリチュアルな伝統が現代のカオスと出会った瞬間か。
なんとなく可愛らしいのが興味深い。 +6 国籍不明
■ なんて美しい文化なんだろう!!
他人に対する敬意も感じられる!! 素敵!!! +6 ブラジル
■ 日本人の精神性を見習いたいものだ。 +18 タイ
■ 癒しと気味の悪さ。
何となくその両方が混在しているように感じた。 +3 アメリカ
■ あれだけ発展した国だっていうのに、
伝統的な宗教観もずっと残ってるのか……。 イラク
■ 日本は宗教的な預言者を持たないが、自ら行動をする……。
あと日本ではお寺に行く前に手を清めるよね。 +3 トルコ
■ これでジゾウさんも安心して過ごせるね🙏❤️ +3 スイス
■ 日本人の優しさと慈愛の心が大好き。
人も国も恋しくなっちゃうなぁ。
文化はワンダフルで、人はアメージング。
前に3年間暮らしてた事があるの。
日本はいつだって私の心の中にあります。
Nippon aishite ru +16 アメリカ
■ とりあえず、私たちもみんなちゃんとマスクをしよう。 +22 カナダ
■ 日本の文化に敬意を表します。
彼らは憎しみではなく、愛を広げるの……😊🤗 +16 国籍不明
「命なきものに対してマスクをする」
という事に対して、違和感を覚える人も散見されました。
スッと受け入れられる自分は日本人なんだなとしみじみ思いましたが、
こういった価値観の違いは、やはり面白い。
これを見れば分かるように、外人は前頭葉で考えるだけで、それしかない。これが「第一の心」。これは動物に毛が生えたものだと岡は言うのだ。動物にもこういうタイプの心はあるのだ。これを「小我」といい、外人にはこれが人間だけ持つものだと錯覚している。「第一の心」というのは、自分の好き嫌いでしか考えない。それしかないのである。
「第二の心」というのは、この行為に対して、やっている人が幸せそうなら自分も幸せを感じる。もし彼女が悲しんでいれば自分も悲しむ。そういう認識の心であり、これは頭頂葉に宿る。この機能が西洋人や外人には希薄である。常に最近インストールされたばかりの自分の経験談や知識で押し付けようとする。
この日本人が持つ特有の「第二の心」のあり方は、外人には「日本人には規律がある」とか、「日本人は単一民族だから」とか。「日本人は全体主義だから」とか、そいうふうにしか見えないのである。これが「第二の心」の発露だとは思いもつかないのだ。
これじゃ、人間は滅ぶぞと岡潔は50年以上前に言ったのである。
実際、曲がりなりにも岡の講演の時代は我が国が学園紛争真っ盛りで、日本人がアメリカナイズされることが良かれの時代であった。明治以前の江戸時代に日本の心などクソくらえという時代にあった。それでも、少しだけ反省の色が見え初めたという時代だった。当時は戦争の敗戦を経験せず、日本よりずっと豊かだった南米の国々と比べて、日本はまだまだだった。
それから、50年。
いまや上のコメントにもあるように、日本は世界最先端の国と見られるほどに発展したのである。
にもかかわらず、なぜに仏教の六道のために、地蔵さんにマスクをして差し上げるのか?の理由が理解できない。つまり、彼らの小我では認識不可能。
六道の意味も知らない。
君たち外人は、いま四悪道:修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の世界にいる。
我が国には少なからず、二善道を会得した高貴な人達が住む。それが、この女性のような日本人である。
まあ、小我しか知らない外人には理解できないだろう。そういう脳になるようにDNAができているからだ。言語もそうなっている。
しかしながら、ひょっとしたら、昔の「だし」や「うまみ」のように、そのうち西洋人の脳科学者が「頭頂葉に心が存在する」と言い出せば、一気に一大ムーブメントができる。とまあ、そういう感じだろうヨ。