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【日本サッカーの子供横綱問題】サッカー日本代表から「臆病者は去れ!」→高校サッカー出身が伸び、Jユース出身が駆逐されるわけ

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みなさん、こんにちは。

さて、昨日は高校サッカー選手権の準決勝二試合があった。

結果は、御存知の通り、

第1試合:森山 2(1-0,1-1)1 長岡(新潟)。
第2試合:岡学 1(0-0,1-0)0 板中(栃木)。得点はPK。

両試合ともに実に面白い試合だった。


U18の絶対王者の青森山田は、明日の決勝に勝てば、U18高円宮杯優勝などと合わせて2冠となる。昨年の優勝と合わせて2連覇達成となる。


やはり、試合を見た限りでは、拙ブログではだいぶ昔からメモしてきたように、1年生からずっと身体能力をアップするトレーニングの成果が出ていると見るべきだろう。




野球で言えば、昔の徳島池田高校の蔦監督の行った練習法に似ている。






「成長期に心肺および骨格や筋肉を成長させること」および「頭脳を成長させること」

これらがうまく噛み合っていると言えるだろう。


香川真司(FCみやぎバルセロナ)、宇佐美貴史(ガンバ大阪Jユース)、
柿谷曜一朗(セレッソ大阪Jユース)、酒井高徳(アルビレックス新潟Jユース)、
酒井宏樹(柏レイソルJユース)、原口元気(浦和レッズJユース)、
久保裕也(京都パープルサンガJユース)、山口蛍(セレッソ大阪Jユース)、
井手口陽介(アビスパ福岡Jユース)、中島翔哉(FC東京Jユース)、
堂安律(ガンバ大阪Jユース)、南野拓実(セレッソ大阪Jユース)、
久保建英(FCバルセロナ、FC東京Jユース)、
中井卓大(レアル・マドリード・カデーデ)、。。。


こういった選手たちは、全員U18までJクラブユースで育った選手たちである。

つまり、高円宮杯しか戦ったことのない選手たちである。


一方、

中田英寿(韮崎)、小野伸二(清水商)、遠藤保仁(鹿児島実業)、
大久保嘉人(長崎国見)、乾貴士(野洲)、大迫勇也(鹿児島城西)、
本田圭佑(星稜)、長友佑都(東福岡)、岡崎慎司(滝川二)、
柴崎岳(青森山田)、塩谷司(徳島商)、興梠慎三(宮崎鵬翔)、
昌子源(米子北)、。。。


こういった選手たちは、全員高校サッカー部出身者である。

つまり、高校総体(および高円宮杯)、選手権を戦った選手である。


Jリーグができる前、できて直後までは、ほとんど日本代表のすべての選手が高校サッカー出身者だった。

しかし、JリーグができてからどんどんJリーグジュニアユース出身者の選手たちが日本代表に占めるようになった。

そして、今回のE1東アジア選手権、いまのU23五輪アジア予選の日本代表もJユース出身者がほぼ全てになった。


ちなみに、監督業も同じことが起こっている。起こりつつある。西野朗監督は浦和西出身である。森保一監督は長崎日大出身である。



上のJユース出身者と高校サッカー出身者では、明らかに違いが見て取れるだろう。

日本代表に定着し、表に出てくる選手の殆どが高校サッカー出身者である。人としての個性が豊かである。

一方、Jユース出身者はなかなか日本代表に定着できず、人としての印象が薄い



いまこの違いが我が国のサッカーで大問題になってきたようだ。はっきりいって、

遅すぎる!


拙ブログではブログ1時代から、これを

子供横綱問題

と定義してずっと問題視し、ずっとこうなるだろうと予言してきたのだ。








簡単に言えば、日本のスポーツ世界では、早熟な選手の方が有利になる結果、早熟な選手が大成しなくなるという矛盾のことである。

早熟な選手は、仲間より足が速く見え、身体が大きく見え、うまく見える結果、基本が疎かになったまま成長期をすぎる。

そうなると、すべての選手が成長期を終えて大人になった頃には、平凡な選手以下になってしまう。

あるいは、間違った基本、間違った癖をつけて大人の選手になってしまう。

その結果、大人になるほど下手になる、上に行くほどだめになる、という問題である。


この皮肉な現象をかつて1980年代に故柘植俊一先生が「反秀才論」の中で警鐘を鳴らしたのだった。

が、我が国では、これが科学界、大学界、文学界、スポーツ界、柔道界、サッカー界のすべてを通じて同じ大問題になったのである。

それがいまの現状だ。


つまり、Jユースの場合、組織がプロ組織=商売だから、人気取りに走る。この場合、結果がすべて、ということになる。すると、早く強いチームを作りたい。

そうなると、どうしても身体が大きな選手、力の強い選手、背の高い選手、足の速い選手、とその年令の各カテゴリーで早熟の選手に目が行く。

すると、早熟で周りより上手い選手ばかりが集まる結果、試合は勝って当たり前になる。

したがって、将来の大選手を見るよりは、今の大選手=子供の時代の大選手=子供横綱を目指すことになる。

Jユースはこういう特質がある。


ところが、高校サッカーの場合は、あくまで学校教育の一貫としてサッカーを指導する。

だから、目先の損得ではなく、その選手の人間的成長が最優先される。

だから、いくらサッカーが上手くてもだめだ、クラスの人気者にならなければならないし、チーム内の先輩後輩関係やお互いの切磋琢磨をしなければならない。

また、強豪校の場合、一番レベルの低いサッカー以外の他のスポーツにすでにオリンピックメダリストがいたりするわけだ。

フィギュアスケートの羽生結弦選手とか、体操の選手とか、レスリングやンボクシングとか、そういう金メダルを目指すメンタルの選手たちがいる。野球部の選手たちがいる。強豪校には高卒ルーキーですぐにプロになるような選手が同級生に存在する。

さらにチアリーダーや応援団や下級生など、サポートしてくれる仲間が多くいる。

私個人は、高校サッカーの選手たちに、そういう同級生の仲間の存在が非常に大きいと感じるのである。


実は、こういうことの意義は、あまり日本サッカー協会やJリーグの関係者には知られていない、あるいは、認識されていないのではなかろうか?。


さて、いずれにせよ、最近はこんな記事が多い。






まあ、興味ある人はそういう記事を読んでいただいて、ここでは、私の印象をメモしておこう。

(あ)成長期の体作りの問題
(い)メンタルの育成の問題
(う)3Bの問題

この3点でJユースは失敗しているということに尽きる。

まあ、細かいことを言えば、無数にあるわけだ。が、基本的には、中高時代に、蹴る、飛ぶ、ダッシュする、長距離を走る、などの厳しい練習を行なわない結果、そのつけがおとなになって出てくるということである。

まだ成長ホルモンと男性ホルモンの分泌がマックスの時代に最強の練習をしなければ、心肺が大きくなり、強くなるというような生物学的現象が起きない。

私個人でも野球部、サッカー部時代に相当走らされたから、肺活量は5000ccまで成長した。心拍は低い方は安静時に40台後半である。だいたい49くらいだろうか。

心肺の性能は、ゆっくり時と速い時の差が大きいほど良いのである。

馬の心臓がその代表である。しかし、馬は速く走れるが、長く走れない。サッカー選手は、速く走り、また長く走れないとだめなのである。特にMFはそうだ。

Jユースはいつも観客席に父兄や母親が陣取るため、厳しい練習を行いにくい。自分の息子が潰されないかと恐れた母親が、観客席で目を見開いているからだ。ちょっとのことでキャーキャーと茶色い声で騒ぐ。

一方、学校サッカーではそういうことがない。

面白いのは、野洲高校が乾選手の時代に全国を制してそれ以来有名になり、練習を一般公開してお金を取るようになった。しかし、その途端に弱くなったのである。つまり、部活費や遠征費を集めるために練習を一般公開した結果、見栄えの悪いきつい練習が疎かになり、レベルが下がってしまったのである。

この現象が非常に象徴しているだろう。

逆に広島のユースが比較的うまくいったのは、その全寮制の場所がど田舎であまり選手の親が来れないような場所だったからである。

やはり、選手は選手の父ちゃん母ちゃんが見に来るようなところで本気の練習はできっこないのである。

中田英寿が山にこもったり、隠れて練習したというのもそういうことである。三浦知良のようにグアムキャンプを一般公開したら、そんなものは一種のショーであって、そういう中ではうまくできる性格の選手でないとうまく行かないのである。

Jユースには、どこかでそういうショービジネスな甘っちょろさが見え隠れするわけだ。いつも観客席でカメラを持って撮影する親御さんがいる。こんなところで本気の練習はできない。

そうなると、選手にとっては最も重要なただ走り回るだけのようなたいくつな練習よりは、パス回し練習や鳥かごや8対8とか、リフティングだとか、そういう見せる練習ばかりになる。その結果、技術はうまくなるが基礎体力が育成できないという感じになるわけだ。

乾選手は高校出身の選手の中では、もっとも体力やスタミナのない選手の部類に入る。それでも、久保建英や堂安律や南野拓実よりはよく走る。

久保建英などボールが無いときは、ピッチ内を散歩している。香川真司もそうだった。


一方、高校サッカー部、それも選手権の上位まで進んだ経験のある、本田、長友、岡崎、柴崎は、チームが

ピンチになればなるほど、「何かしなきゃいかん」

という感じになり、走り回るようになる。


Jユース出身者の選手は、負けなれている。いつもリーグ戦だから、初戦を負けても問題ないという精神状態で戦う。

しかし、高校サッカー選手の選手たちは、常に「負けたら終わり」の一発勝負で戦う。


実は、あまり日本のサッカー界で知られていないが、欧米や南米のサッカークラブでは、高校サッカーに近いメンタルで育成されているのである。つまり、

「チャンスは1回」「負けたら終わり」

なのである。

どんな試合であろうが、その試合で結果を残せなければ、もうお呼びがかからない。これが欧米のサッカー世界のルールである。それほど選手層が厚く、競争が激しいのである。

ところが、Jユースはほぼ固定化したチームで戦い、各年代、1年学年が上がっても、メンバーが同じである。追放がない。「君はもう必要ない」「来なくていい」と言われるという危機感がない。

だから、ぬるま湯になり、しかもうまい奴らばかりのチームだから、自分が全力を出す必要がない。全員が相手より子供横綱だから、適当にやっていれば、常に圧勝する。その年代、その地方の上澄みを集めているからだ。

ここ徳島でもそうで、ヴォルティスユースは各年代で一番うまい選手しか入れない。しかし、日本代表になったのは、ヴォルティスユースではない、黒部光昭とか、塩谷司であった。共に徳島商業出身。

このメンタルの成長期にメンタルを成長させられるかどうかが一番重要だろうと思う。


それを我々の時代では、

3B=ボールコントロール、ボディバランス、ブレイン

と呼んだ。ボールと友達になるのは、12歳〜15歳までである。それ以後一生の練習は必要だが、大きく伸び修正が効くのはその頃まである。

ボディーバランスは、15〜18歳までの基礎体力作りで決まる。

ブレインは一生ものだが、やはり忍耐強さやメンタルが育つのは18歳までだろう。

結果、順番としては、

(あ)幼少期から小学校はボールコントロールや身体の増大、
(い)中学校から高校はボディバランスや身体の増大および身体の強化、そして
(う)高校からブレインやメンタルを鍛え、戦術理解をする。

こういう順番でいいだろう。身体の強化は成長が止まってからで良いだろう。


むろん、人それぞれ成長曲線が異なるから、本来ならその成長曲線に合わせてそういう順番で行うということになる。


さて、サッカーは最終的には大観衆の前で行うスポーツである。

大観衆の中でも、足が震えず、緊張せずにいつもどおりのプレーを行う。

こういうメンタルを鍛えるには、いつも父ちゃん母ちゃんだけが観客という状況やほぼ無観客席で戦うJユースでは不可能だろう。

Jユースの選手たちが大観衆に弱いというのは、成長期のこの環境のせいだろう。

高校ルーキーたちの方が大観衆に慣れている


高校サッカーの場合、同じクラブの後輩や補欠の選手たちが、応援団やチアリーダーと応援する、その大声援の中で戦う。高校代表として仲間の代表として戦う。しかも負けたら終わりである。

代表としてから、高校サッカー部の選手たちは、負けたら号泣し、観客や応援団に一礼をして去る。

しかし、Jユースの選手たちは、負けようが勝とうが、明日がある、というような変なメンタルが出来上がる。


一昨日のU23五輪アジア予選で、不甲斐なく負けた森保ジャパンの選手たちは、ミスした選手だけが泣いていただけで、だれも泣きもしなかった

しかもインタビューでは、「負けは負けとして切り替えて次の試合に準備します」というコメントだった。

しかも、驚くべきことに、自分の連携ミスで負けたGKの大迫がニコニコしながらそう言っていたのである。

Jユースの選手はあまりに「負けなれしすぎている」。


これを是正するには、やはり高円宮杯も天皇杯のように、一発勝負のトーナメント戦にすべきである。


昔は日本の選手はリーグ戦になれていなかったが、いまの選手は逆にリーグ戦になれすぎて、いつ本気になるべきかわからない。負けても勝ってもまだ上がある、先があるという感じが見える。

だから、ここぞのシュートを外すわけだ。足先だけでプレーするようになる。身体で押し込んだり、身体で止めたりする気迫が出ない。


これでは、強くなるのは難しいだろう。

かつてアメリカW杯でブラジルが20年ぶりで優勝した時の闘将ドゥンガが

「チャンスは一度」
「お前と俺のどちらかが死ななければならない場合、お前が死んだほうが良いに決まっている」

と言ったように(『サムライサッカーをめざせ』)、世界のサッカー界とはそういう厳しい世界なのである。


「これでプロになれるかどうかが決まる」というような状況の試合を勝ち抜く選手たちの方が、ずっとプロへエスカレーター式の選手と比べてうまくなる、強くなるのは当たり前であろう。



そろそろ、Jユースの指導者はこういうことを本気で理解しなければならないだろう。


昨日の試合でも、最後の最後に静岡学園の選手が強行突破の勝負に出たからこそPKゲットし、勝利したわけだ。

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同じく、サウジアラビアの選手が強行突破の勝負に行ったから得点し、最後にPKも取ったわけだ。


さもなくば、いくらポテンシャルや才能のある選手が集まったところで、

「ミスを恐れてミスをする」


という形で負け続けるに違いない。「臆病なサッカー」「臆病者のサッカー」で終わるのだ!






明日の試合は、どこまで静岡学園の支配に青森山田が耐えられるか、逆に静岡学園が青森山田のセットプレーやカウンターに耐えられるかの勝負になるだろう。

それにしても静岡学園のミスした後のボール奪取の速さはブラジル並である。常にセカンドボールが静岡の方へ行く。なかなかこれまでこのレベルのサッカーができるチームはあまりなかったのではなかろうか?

青森山田は身体能力が高いから、ここぞという場面にそれを出せる余裕があった。


はたしてどっちが優勝するか?

まあ、山梨出身の俺としては隣の静岡学園の優勝を期待したい。もし静岡学園が勝つと、そこが母校の三浦知良がハワイかグアム旅行をチームへ プレゼントするとかしないとか。人参作戦だな。





弥栄!






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by kikidoblog3 | 2020-01-12 14:41 | サッカー・日本代表

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