さて、一昨日夜の試合を見直すと、やはりいまのJリーガーの日本代表クラスにも大きな誤解がまかり通っているということがわかった。
要するに、サッカーの鉄則、サッカーの基本、サッカーのセオリー通りに従わず、”適当に”自分流に「俺たちのサッカー」をしてしまうという問題だ。
この「僕たちのサッカー」「俺達のサッカー」ということを流行らせてしまったという点で、
本田圭佑、長友佑都、香川真司、川島、。。。
の罪は重い。彼らの責任は非常に重い。
結論から言って、サッカーには「サッカーの基本」「サッカーの鉄則」「サッカーのルール」があるだけであって、
サッカーは一つしかない
のであって、自分流のサッカーなるものは存在しないのだ。
つまり、サッカーの基本通りに試合中にプレーをすることが難しいという話であって、それができればそれで有利になるが、できなければ不利になる。それだけの話だ。
1試合マンマークできれば、マンツーマンでマークしているチームの方が強い。
これは、普通、年上の方が年下、大人の方が子供より強いのは、誰もが経験したことがあるだろう。
それは単に子供よりフィジカルが勝っているからにすぎない。技術の問題ではない。体力の問題だ。
しかしそれには相手以上の走力や基礎体力がいる。
普通の選手にはそれができないから、集団でブロックを作ってゾーンディフェンスをするわけだ。
いくつかそんなプレーをメモしておこう。
(あ)シュートする前にかならずゴールを見る習慣の欠如
鈴木武蔵がどうしてシュートが枠へ行かないのか?日本人選手がどうして枠を外すか?
というと、彼らはサッカーの鉄則「シュートの前に必ずゴールを見る」(ゴールを見ればキーパーの位置を見る)を守らないからだ。
このプレーの前のアドレス(=シュート体勢に入る動作)の間一度もゴールを見なかった。
これは単なる「山勘シュート」だった。「なんちゃってシュート」という。
世界の優秀な選手は、必ず1度ゴールをルックアップする。
クリスチャン・ロナウド、メッシ、バッジオ、ロマーリオ、ロナウド、クローゼ、。。。
全員がそうする。
なぜなら、それがサッカーの基本動作だからだ。
ゴルフのドライバーでピンの位置を見る。これが基本動作だ。
もしこれをしなければ、OBだ。
ところが、日本人のサッカー選手はこれをしない。だから、決定力がない。
もしこのシュートを決めていれば、日本が勝利できただろう。それほどこの悪い癖は日本を窮地に落としたのだ。
(い)オーバーラップは必ず使え!
サッカーの基本中の基本に「後ろのポジションの選手が後ろからオーバーラップしてフリーになった場合、必ずそれを使え」という鉄則がある。
しかし、我々アマチュア日本時代はこの鉄則に忠実に従ったものだが、プロができてから、特にJユースができてから、この鉄則を無視するようになった。
苦しい中オーバーラップしてきた選手をわざと無視し、ダミー(おとり)に使うのである。
遠藤は佐々木がオーバーラップしてきたのに、わざとそれをダミーにして自分のシュートを選んだ。その結果、後ろから来た敵の足を蹴って右足首を負傷し、それ以後全く動きが止まった。
佐々木は全くフリーなのだから、シュートするふりをして左にパスすべきなのだ。
そうすれば、向こうの2トップが次を狙えた。
だいたいダミーにするというのは、その選手にマークが付いた場合の話であって、その選手がフリーなら自分はマークされているわけだから、フリーのオーバーラップしてきた仲間に出すべきなのだ。
遠藤にはこの知性がなかった。まあ、遠藤だけではない。一般的にJリーグの選手にいえることだ。
もし佐々木にマークが付いていてフリーではないのであれば、そのときはそれをダミーにして良いのだ。
(う)ヘッドは前を向いて行う。
守備陣のヘディングのクリアは「ヘッドは前を向いて行う」「敵陣を見て行う」。これが鉄則である。
しかしどういうわけか、日本代表の畠山のヘッドは自陣を向いた状態で行った。
だから、彼はこの鉄則を全く身につけていないということだろう。
そのうち、1つがオウンゴール寸前になった。
ヘディングのクリアはゴールラインに出さないように、サイドラインに出すようにしなければならない。
(え)オフサイドトラップ
日本の高校生もそうだが、オフサイドはオフサイドトラップを行って取る。
これが鉄則だ。
そのためには、ラインを常に1直線にして、4バックならラインの4人、3バックならラインの3人で一心同体、一蓮托生で守る。
しかし、自分たちのラインの間に入った、自分のマークする相手が足が速かったり、得点されるのを恐れて、しびれをきらしてラインを破る選手が多いのだ。
三浦はラインを揃えてライン上に止まっていれば確実に敵をオフサイドにできたわけだ。
ライン上でのマークの位置が間違ったままだ。これは高校生も大半が間違っている。
DFのマークは後ろにつくのではなく、相手の前に出てマークするのだ。
失点を恐れて失点をする。失敗を恐れて失敗をする。こういう典型だ。三浦が一人ライン崩しを行った結果、センタリングが生きてしまったわけだ。
これをすると、ゴール前のど真ん中にスペースが空いて、パスが通った場合に第二列がフリーでプレーできるわけだ。
いつも私が驚くのは、女子サッカーの方がこの点が徹底されていて、きちんとオフサイドトラップをとる。
これは、日本女子の方が外人より身長も体力も劣るため、真ん中で1対1で勝つことができない。だから、ラインでオフサイドをとって凌ぐ。この戦法でないとやられてしまうからである。
日本人選手は外人と比べたら、男子でも同じ状況だ。だから、やはりオフサイドトラップを徹底させるべきだ。
(お)シュートブロックは体全体でする→スライディング・タックルで防ぐ
サッカーにはこういうふうな「サッカーの基本動作」「サッカーの鉄則」と呼ばれることがある。これは「僕たちのサッカー」とか、身勝手に鉄則を変形したり変えることは許されない。だから、鉄則というわけだ。
鉄則に従ったほうが勝利の可能性がぐっと上がるから鉄則というのである。
囲碁将棋で言えば、「定石」というものに匹敵する。
野球で言えば「セオリー」である。無死3塁なら、次の打者には「スクイズ」のチャンスが生まれる。これが「セオリー」だ。
サッカーにもこういう「セオリー」がしっかり存在する。
しかし最近の日本人選手は、このセオリーにルーチン通りに従わない。
そこで失点が生まれる。シュートが外れる。
同じ日韓戦で、森保ジャパンが韓国の男子より劣ることよりもずっと、なでしこジャパンの方が韓国の女子より劣っていた。
にもかかわらずなでしこジャパンはゲームを支配し、最後に籾木のシュートでPKをとり、1−0で辛勝した。
逆に森保ジャパンは肉体的にはそれほど劣っていたわけではなかったが、サッカーの基本や鉄則を忘れて、0−1で惜敗した。
この差が、どこから来るのか?
これを日本の男子サッカー選手はよ〜〜く考えるべきである。
最後に男子の失点の原因は、Jリーグの最優秀新人賞をとった田中碧のミスだったのだ。
最近の高校サッカーやU18Jユースの選手たちのように、まったくタックルしないし、特にスライディング・タックルをしない。
この習性が田中碧にもあり、いつもの習慣がこの大事な世界戦で出てしまったのだ。
もしここで普通にスライディングタックルしたり、体を張るプレーをしていたら、このシュートはなかっただろう。最低でも自分の体に当てて防げただろう。
この無様なプレーはプロのプレーではない。ましてやE1選手権という歴史ある国際大会のプレーではない。
若者よ、サッカーの鉄則、サッカーの基本に忠実に従ったプレーを身につけろ!
なさけない、日本男子サッカーから早くおさらばしてほしい。
それにしても、
どうしてサッカーの基本を知らないようなものがプロになれるのだろうか?
どうしてサッカーの基本を身につけていないものが日本代表になれるのだろうか?
同じくらいの力量の選手たちなら、サッカーの基本を身につけた方を選ぶべきだろう。
俺の謎は尽きない。